しゃちおの自己満趣味ブログ

好きな音楽からゲームまでとりあえず適当にやります。飽きたらやめます。

Syrup16gのアルバム「coup d'état」を聴いた感想。

先日待ちに待ったシロップのアルバムを購入しました。

 

今回購入したのは「coup d'état」と「HELL-SEE」の二作。

 

本来の予定であれば「Mouth to Mouse」が個人的に好きな曲が多く収録されており、欲しかったのですが、入荷までにあまりに時間がかかるという事で今回はパスしました。

 

GRAPEVINEのアルバムも欲しかったけどほとんどのやつが新品品切れ状態だったという…

 

で、今回購入したアルバムのうちメジャー一作目にあたる「coup d'état」は本命中の本命で事前にYouTubeなどで視聴した際にどの曲も好感触。シロップでまず買うならこれだな。と決めていたのですが実際に手にして聴いてみたところ期待通り…いや期待以上に良かったです。

 

購入したのは再販verなのでオリジナルバージョンではありませんでした。

 

それじゃそろそろ一曲一曲語っていきます。

 

1 Another Day Light

インスト曲。オリジナルバージョンには未収録。

 

2 My Loves' Sold

実質的なオープニングナンバー。

Aメロの暗いけど疾走感溢れるギターを中心としたリズム感が個人的に好き。

インディーズからメジャーに移籍した事により、自分の曲を売り物にする事も良しとしようという、五十嵐が自分自身に対してのクーデターを起こす、という事からこのタイトルがつけられた。「My loves sold」(=俺の愛を売る)などのタイトルにもその姿勢が現れている。(Wikipediaより引用)

まさにこのアルバムのオープニングを飾るに相応しい曲といえる。

 

3 神のカルマ

ベースがメロディーラインを弾くというこのアルバムでの新たな試みが実装された曲。

印象的な「これはなんだ 神のカルマ 俺が払う必要はない」という部分は実は一度しか歌われていないという。

AメロとBメロとサビでそれぞれメロディーのメリハリがきちんとしているので聴いていて割と楽しい(歌詞の内容はそうでもない)

2度目のサビの後の心療内科のBGMが耳から離れず息苦しく感じたり、最新ビデオの棚の前で2時間以上立ち尽くすなどの、明らかに異常な日常生活の風景を歌う部分もなんかクセになる。

この曲も普通に好きだが、他の曲がもっと凄いんで相対的に目立たないという…

 

4 生きたいよ

アルバムの終盤にありそうな曲だなーと思っていたので割と早い段階できたのは意外。まあこういう気だるい系の真骨頂な曲が終盤に来たら逆にだれちゃうかもしれない。

初めて聴いたときはそんなに良く思わなかったが、10回目あたりから徐々にクセになってきたというまさにスルメ曲というにふさわしい曲。

生きたいよというタイトルにも関わらず生気はあまり感じられず、サビの部分でもノスタルジーだとか生ゴミだとかで切り捨てられてるし全然明るくはない。

「後ろ向きLife style 死ぬまでLow No bady like そんなBeatiful 生きたいよ」というフレーズはリズム感も語呂も良くついつい口ずさみたくなる。

AメロとBメロはとにかくローテンションだが、サビでどどんと一気に盛り上がる(なおそのサビも詞のせいか特段明るいって訳じゃない)という奇妙な曲。一度クセになったら耳から離れなくなります。

 

5 手首

この曲もアルバムの10曲目辺りにありそうだなーと思ったので割と序盤にきたのは意外。

とにかく歌詞が痛烈でそれがまた爽快感を生み出しとてもクセになる曲。

いきなり「くだらない事言ってないで 早く働けよ 無駄にいい物ばかり 食わされて 腹出てるぜ」というフレーズから始まるので、初めて聴いたときは「!?」となる。誰もいない時ならここ歌うの爽快感抜群なんで個人的にはとても好きです。

ちなみにBメロ「ジーザス ジーニアス キングオブフリーダム 一生懸命生きてる私に どんな罪があるんですか?」という部分は今作の中でも屈指に口ずさみたくなる抜群の語呂の良さとリズム感。

歌詞がシロップの中でも特に過激的なので決して他人に易々とオススメできるような曲ではないが、シロップが好きな人なら好きだろうなあという感じの曲で、個人的にはこの歌詞の痛烈さこそがメロディーにうまく馴染んで凄まじい爽快感を生み出してるのでこのアルバムの中では現時点では特に好きな部類に入る。

 

6 遊体離脱

実はPVが制作されてたりする曲。タイトルの性質上幽体離脱する五十嵐が出たりするがかなり暗いテーマなはずなのにどこかシュールで少し笑いが込み上げてくる。

歌詞としてはシロップの中では然程暗くない印象で、メロディーラインも決して売れ線ではないが美しく耳馴染みがよく聴いていて落ち着く感じ。

十分好きな曲だけど他にもっと好きな曲があるせいで俺の評価としてはそこそこに落ち着くという神のカルマと似たような不遇さ。

 

7 Virgin suiside

インスト曲。タイトルが暗い。

 

8 天才

シロップを知ったばかりの時に聴いた曲でその頃から好感度は上の下という感じ。つまり良曲。

相変わらずこの曲も口ずさみたくなるようなフレーズが多い。一人カラオケに今度行くならシロップの曲を歌いまくりたい。(大半の曲は知名度のこともあってシロップファン同士じゃない限り多人数のカラオケで歌ってはいけない。)

「天才だった頃の俺にまた連れてって」「どこで曲がったら良かった?どこで間違えた?教えてよ」という冒頭のフレーズの通り幼少期の方が今の自分より充実してたり、あらゆるモノに汚されず、才能に恵まれてたんじゃないかと昔を回想してしまうのがこの曲のテーマ的な部分。本当にシロップの詞は包み隠さず自分の負の感情や弱さを曝け出すようなもんなので、ダメ人間や精神的に不安を抱えてる一部の人たちにガン刺さりするんすよね…。俺もあの時ああすればよかったとか考えないようにしても無限に出てきてしまう。その上で本格的なバンドサウンドをやっており、詞を無視した曲としてそのもののクオリティの高さもシロップの魅力というべきか。

地味にシロップってメロディーメーカーなんだよね。

 

9 ソドシラソ

手首並みに痛烈なフレーズを並べた攻撃的な曲。ちなみにこのアルバムだとこの曲もトップクラスで好きです。

暗い曲なんだけど冒頭の「いぇぇぇぇぇぃ」だったりで曲調自体は突き抜ける感じ。というか歌詞の痛烈さも含めてとにかく突き抜けすぎてるので、シロップの闇を受け入れられるような人なら爽快感しか感じないと思う。

タイトルのソドシラソはラストの部分で歌われており、音階がソドシラソになっているという訳でもなく、最初はヤケクソになってソドシラソ ソドシラソと繰り返してるのかと思ってたけど、実は「So Don't She Love Song」のモジりであるという説が出ており、それを初めて耳にしたときは真相はともかく軽い電流が走った。

大半が印象的だが、特に印象的なフレーズは「誰かなんか言ってるぜ 聞き流す フリして真に受ける」という部分で、人の自分に対する思考・感情がかなり気になるタイプの自分としては非常に共感性の高いフレーズ。

 

10 バリで死す

ボーカル五十嵐がバリ島での音楽に衝撃を受けて引きこもりになったという凡人からするとちょっとよくわからないエピソードを基に作られた曲で、表のメロディーに対して裏のメロディーも存在しているというなかなか奇抜な曲。

流し聴きしてた時は4分半くらいだと思ってたが、実は6分以上ある曲であり、アウトロがなかなか長い。

余談だがサビの部分の「バリ島で死にたいよ」の部分が「割とうれしいみたいだ」に聞こえたりしていた。

このアルバムの中では順位は低い方だけど、普通に好きな曲。

 

11 ハピネス

サウンドが個人的に無茶苦茶好みで一発でそこは惹かれた。

最初に聴いたときはそのサウンドの心地よさに「サビとラストの部分のキーがやたら高いな。」という印象だったが、何度か聞くとそのサビもクセになってきたり。AメロBメロCメロの起承転結は他の曲と比較しても抜群にいい。

歌詞は「どうなっても悲しみは消える」だとか「一生俺はハピネス 不幸もハピネスだろう」とネガティブなことを言ってるわけではないが歌ってる人が歌ってるだけに正常には感じられない。

苦痛に耐えすぎてどうしようもない発想でイっちまった人の曲と解釈していいのだろうか…。

曲調自体はとても美しく幻想的で、尚且ついい感じにベースが主張してるので派手な曲ではないがBGM代わりに聴いてみてほしい。

このアルバムの中では特にお気に入りな一曲のひとつ。

 

12 coup d'état

タイトルナンバー。「声が聞こえたら 神の声さ」というフレーズを二度繰り返すだけで終わる短い曲。フレーズがフレーズなので短いながらもインパクトがあり、後に続く「空をなくす」のイントロ的な役割をライブでもしているとのこと。確かにこの曲の存在で空をなくすに対する高揚感は多少なりとも上がってる気がする。

 

13 空をなくす

タイトルの由来は精神薬のソラナックス。ちなみに副作用として依存性が強いそうです。なんかシロップらしい。

サビらしいサビがないので目立った盛り上がりどころはないが、曲調自体が疾走感がありガガガッという感じであまり明るくないながらもワーッとエモーショナルに感じてくる曲(語彙力がなさすぎる)

このアルバムを買う前にもっとも聴いてない曲なので新鮮味が強かったのもあるかもしれない。

 

14 汚れたいだけ

このアルバムを買う前はそんな好きな曲ではなかったが、ラストの曲として聴くとしんみり来る曲。

「食欲ある癖に 食べるのが好きじゃないなんて 矛盾しているよなあ」「復讐することが 生きる意味に成り果てても 悲しむことはない 復讐それこそが 生きる意味に成り得るんだよ 疑う余地はないね」などのフレーズはそこまでおおっとなるようなわけでもないのだけど妙に耳に残る。

曲が終わった数秒後に単調なピアノソロでこのアルバムは締められるが、急逝した初恋の嵐のボーカル西山達郎に向けての追悼を意味するとWikipediaに記載されている。本当に西山さんの急死はデビュー前からかなりクオリティの高い曲が多かったこともあり悔やまれる所。セカンドの未発表曲なんかデモテープから作られたという性質上作りこもうにも限界があったはずなのにとても良かったしなあ。

 

とまあこんな感じで割と既に聴いた曲が多かったのですが、元々どの曲も気に入っていたこともあり非常に満足しております。

懸念点としてはシロップということを加味してもやはり暗い。という感じ。

毒が抜けてる曲が割とある後発のアルバムに含めるとタイトルの通り自分たちにクーデターを起こすと挑戦的かつ攻撃的な曲が大半を占めており、ハミングバードだったり、Rerornのような身に染みるあからさまな暗さを感じさせないバラード曲が収録されてないので暗い曲耐性が然程ない人にはかなりキツいアルバムなのは否めない。

あとは音質改善されたバージョンながら曲自体の音量は控えめなので超高音質!という感じがしないのも難点。(生きたいよのサビの盛り上がりはCD音源だとそのせいで魅力が半減していたり)

 

最後に現時点での個人的お気に入り曲ベスト5を挙げて今回は締めようと思います。

それではまた。

 

1 手首(口ずさんだ時の爽快感抜群)

2 ハピネス(曲調は素晴らしいが、手首と違ってサビの裏声で気軽に歌い辛いので少し減点。)

3 ソドシラソ(アルバム買う前から聞きすぎてブームが少し落ち着いてる)

4 生きたいよ(シンプルにブームがきてる。CD音源のサビの盛り上がりが期待したほどでなかったのが惜しい)

5 天才(安定していい曲に感じる。ワンカットのPVもかっこよくて好き)